なんかおかしいぞ海の森計画
東京都は中央防波堤のゴミの埋め立て地に植林して海の森を作るらしい。
詳しくはこちら。海の森
先日はU2のボノ氏が植林したニュースが話題になった。
でも、この計画なんかおかしくないか。
なぜ、海辺に森を作る必要があるのだろう。東京湾の原風景にはそんな場所に森林はない。あるのは広大な湿地である。
どうも日本人は植林イコール自然保護と勘違いしている。植林は緑ともいわれる。緑が増えれば自然が増えると思っているようだ。
私は植林にはいいイメージを持っていない。木さえ植えればいいという浅はかな考えがあり、質が伴っていないことが多々あるからである。それよりもむしろ自然破壊となっている例もある。例えば、自然に優しいとして企業が宣伝しているパームヤシの畑は、深刻な熱帯雨林の破壊原因となっている。
自然をつくるというのは、そう簡単なことではない。好みの樹種だけ植えても何にもならないのである。
今回の海の森計画は、それ以下である。だいたい森がなかったところに森林公園を作ろうというのだから、呆れるほかない。
何の樹種を選択したか見ると、どうもドングリという記載を見ると、コナラ、クヌギ、マテバシイの類であろう。近年、自然保護の象徴として里山という言葉が一人歩きしている。その里山のイメージでドングリということになったのだろう。
おもしろいことにもしこの森が完成して一番喜ぶのは、カラスだ。石原慎太郎がきらいなカラスが増えるのは目に見えている。敵に塩を送るとは都知事もあっぱれだ。まあ、そこまで知恵が回らないのだろう。慎太郎は、悪いイメージを払拭し、自然に理解があることをアピールし、自分のモニュメントとして森を作りたいのだ。
また、この計画は深刻な問題をはらんでいる。それは子どもへの影響である。なんでも子どもに植林をやらせている。これは洗脳である。植林の意味を教えてないで、子どもを巻き込むのはやめてほしい。まちがった認識の大人が増産されてしまう。
さらに募金までおこなって都民を巻き込もうとしているのも悪質である。
中央防波堤跡地にもっとも必要なのは湿地である。ヨシ原ひろがる湿地が一番必要なのであり、もっとも東京湾の風景にふさわしい。
浅はかな一握りの施政者によって、また弱者である自然が犠牲になる。
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