14日付東京新聞朝刊に鳥インフルエンザを警戒して、各地でハクチョウへの餌付けを止めたという記事があった。
山形県酒田市と福島市は鳥と接触する可能性があるので、餌付けを禁止した上、河川敷には入らないようにしているという。
はあ~とため息が出る。
過剰反応である。行政マンの科学的な知識の貧困を露呈した愚かな行為である。
仮にハクチョウに高病原性鳥インフルエンザがいたとしても、糞でも食べない限り感染しない。それに世界中でも野鳥から人に感染した例はない。
だいたい、まず、鳥インフルエンザという名前がいけない。インフルエンザウィルスは、もともと鳥が持っていたのである。昔からカモにはインフルエンザウィルスはいた。だから、わざわざ「鳥」とつける必要はないのである。
また、ハクチョウへの餌付けは、自然保護なのか愛鳥なのか、観光なのか、目的がハッキリしないまま続けられてきた経緯がある。餌付けによってどれだけハクチョウに影響があるか、行政主導で調べられたことはない。安易な発想で続けられてきたのである。
野鳥とは、人の世話にならないで生きていけるから野鳥という。ちなみに家畜や家禽は人が利用しやすいように改造したため、自然の中では生きられない。だから人が世話をし管理がなければ生きられない。愛玩動物もしかりである。
であるから、野鳥であるハクチョウには餌付けは本来必要がないのである。
しかし、現在日本に飛来するハクチョウのほとんど全てが何らかの形で人の世話になっている。これはゆゆしき問題である。
こういった観点で餌付けを止めるのならば問題ないが、今回の判断は違う。
鳥インフルエンザとはどんなウィルスで、どういう状況で感染するということを住民に周知することが行政の仕事である。それをしないで憶測だけの施策では、怠慢であると言わざるを得ない。
このままでは鳥=危険動物と世間に認識されかねない。
とんでもない誤解を流布する行政担当者は猛省を促したい。
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