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Nov 20, 2012

やはり懸念した通りでした



すっかり河川環境が改変されてしまった染井入落ですが、その後、関係部局に問い合わせていただいたところ、この工事は平成9年に計画設計されて着工されているので、自然環境や生物多様性に配慮した設計にはなっていないことが判明しました。自然環境に配慮した改修は平成13年以降ということなので必要ないという判断だったようです。
また、生物環境調査もされていないということもわかりました。
それにしてもおかしな話です。過去に計画決定されたら、現在の決まりは従わなくてもいいとは驚きました。

千葉県東葛農業事務所のHP
には、野田市で多自然型の水路を作ったという記録もあり、田んぼの調査や小学生への環境教育もしていると掲載されています。それなのに一方ではこんな前時代的な工事をしているわけです。
幸い、もっとも魚影が濃い部分は未着工なので、これから少しでもいい方向になるように見つめていきたいと思います。


染井入落の下流部はすでにこんな水路になっている。これが上流まで伸びるそうだ。


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Nov 18, 2012

狭山公園に下見に行ってきました

12月2日に開催する東大和市立郷土博物館主催バードウォッチングの下見をしに、狭山公園に行ってきました。
今シーズンは、昨シーズンとうってかわって日本各地から冬鳥フィーバーの情報が聞こえてきていますので、さぞかし良いだろうと期待して望みました。

ところが意外にも鳥影が少なく期待外れに終わりました。でも、下見で良い思いをすると、本番でこけるというジンクスがありますので、これはこれで良かったのだと思います。それでも普段はあまりみることがない、ヒガラを見ることができたので、本番は多いに期待できそうです。


公園は秋色でした。


貯食しようとするヤマガラ


コゲラはモッコクの実を食べていました


この奇妙な建物の中は...


スズメの巣があちこちに。設計した人はもう少し勉強を。


多摩湖名物のカンムリカイツブリ。カモはまったく見当たらず。


他のカンムリカイツブリに脅されてバタバタと助走して飛翔


なぜか未だ幼生のハラビロカマキリ。このまま死んでしまうのかな。


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カラスシンポジウムに参加しました

土曜日は宇都宮大学で開催された、カラスシンポジウムに参加してきました。
主催はカラス博士でお馴染みの杉田昭栄教授のグループです。

今回のシンポのユニークなところは、生態分野だけでなく、形態、被害状況報告、ウィルス伝播、行動、忌避グッズの業者さんなど、とにかくカラスに何らかの関わりを持つ人々が一同に集まることです。
それぞれちがったアプローチでカラスに迫っている人たちが化学反応を起こすのではと多いに期待を持って参加しました。

午前中はポスター発表でした。会場は大盛況でこんなにカラス関係の人がいるのかとちょっとビックリ。自分がカラス研究を始めた16年前には考えられないことです。


ポスター発表の会場


挨拶をされる杉田先生

ポスターはどれもがなかなか興味深い内容でしたが、いちばん印象に残ったのは
日本獣医生命科学大学の横須賀先生等による「ハシブトガラスの鼻腔および嗅球の形態学的特性」です。
カラスは臭いを感じる嗅球の発達が悪く、臭いはあまりわからないとされています。しかし、近年、多くの鳥類が我々が思っている以上に臭いを感じ取っているという研究が発表されており、もしかするとカラスも臭いを感じているのではないかと、じつは危惧していました。
今回の発表では、やはりカラスは嗅球の発達が悪いだけでなく、鼻腔の臭いを感じるセンサー部分も他の鳥類に比べて狭く、臭いには敏感でないことが示唆されたということです。ただ、発達が悪いなりにも嗅球は存在しているので、ある種の臭いには敏感である可能性も否定できないという話でした。研究者の方と議論を深めることができ、カラスの臭いについての見知を深めることができたのはとても有意義でした。

午後は、杉田先生の形態、金先生の鳥マラリアについて、伊澤先生の認知鳥類学、樋口先生のカラスの食文化についての講演がありました。それぞれの内容はとても興味深いものでしたが、最後の質疑応答も活発なやりとりがあって面白い内容となりました。

講演が終わったあとは懇親会があり、久しぶりにお会いする人や初めてお会いする人などと親交を深めることができました。なかには私の本を読んでいただいた方が、私がきっとシンポに私が来るだろうなと期待して参加されたと聞いて、とても感激しました。


サプライズで登場したカラスのごcrowさまケーキにご満悦の様子の杉田先生です。

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Nov 17, 2012

染井入落の核心部でついに工事がはじまる

手賀沼の流入河川で唯一、素掘りの水路であった染井入落の中流部でついに工事が始まりました。
ここの水質は2009年度BOD平均値2.3mg/Lと極めてきれいな河川で、国指定の絶滅危惧種の魚種や千葉県指定の要保護動物(準絶滅危惧種)の魚種が生息していることを確認しています。
下流部は今は珍しい3面張りのコンクリート護岸にされてしまい、見る影もありませんが、それより上流は都市近郊では貴重な豊かな自然の川となっています。

2010年8月の染井入落の様子

ところが11月16日に染井入落に生物の調査にいったところ、沼南高校前まで工事が着工されており、すでに水がなくなっている状態でした。


2012年11月16日の同じ場所

工事の発注主は千葉県東葛農業事務所。どのような水路にするかは不明ですが、今は生物多様性に配慮した工事が求められるのが常識ですから、それに配慮したものになるのでしょうか。関係するところに問い合わせしております。ただ、現状を見る限り、あまりその配慮をしているようには見えません。
また、生物の調査なども事前におこなっているかどうかも不明です。
いずれにしても都市近郊のこのような河川は、とらえようによればものすごい価値を見いだします。
貴重な生物が奇跡的に生息している河川をブランドイメージにして、この地区の米の価値を深めることも可能です。
幸い、もっとも優良な自然環境が残っている部分は未着工なので、せっかくの財産をみすみす放棄するような工事は再考してもらいたいと思います。

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Nov 06, 2012

ジャパンバードフェスティバルに行ってきました

11月3~4日は、お隣の我孫子市で開催されたジャパンバードフェスティバルに行ってきました。日本最大級の鳥のお祭りです。
このフェスティバルは天候に泣かされることが多いのですが、今年は両日共に良い天気で絶好のコンディションだったのは何よりでした。

今回はおもしろかったというか興味深かったのは、♪鳥くんと漫画家の富士鷹なすびさんの「フィールドの今、マナーとモラルを考える」の講座です。今、野鳥を見る現場ではかつてないほどのマナー違反やトラブルが発生し、なんとかしなければという声があちこちで上がっています。しかし、ではどうしようかというアクションはなかなかないので、この講演はとても画期的だと思いました。
本来ならばとても重いテーマで眉間に皺が寄りがちですが、♪鳥くんとなすびさんのやりとりが面白くて笑いもありました。そして、現場では何が起こっているかがみなさんよくわかったと思います。しかし、驚くことがたくさんあるんですねぇ。それにしても鳥ではなくて見ている人側の写真がたくさんあったのには感心しました。私もこの手の写真はジャーナリストですから撮りますが、それにしてもよく取材しているなあと思いました。


こういう講座物は、もっとたくさんあってもいいのではと思います。山階の講演会では整理券がないと入れないほどの人気だそうですから、短い講座物がたくさんあるのが良いですね。

展示・販売で、今回一番活気があったのは市民団体のコーナーですね。みなさんいろいろ工夫されていたようで、なかなか盛況でした。

反対にとても残念だったのは鳥グッズの出店が少なかったことです。フェスティバルで鳥の小物やTシャツなどを探すのが私の最大の楽しみなのですが、今年はこれといったものがありませんでした。一番充実して欲しい分野だと思うのですが、年々寂しくなる気がします。苦労の割には売れないと言うことなのでしょうか。

また、いつも思うのですが、双眼鏡や機材のコーナーは、もう少しなんとかならないでしょうか。いろいろな機種を野外でのぞいて比べることができるのは、大変画期的なことなので、これはこれで良いと思います。問題はメーカーの人です。私が双眼鏡をのぞいていても、一回も声をかけられませんでした。じつは毎年来ていますが、機材コーナーで話が弾んだという記憶がありません。どうも鳥を実際には見ていない人がやっているのではと思うのです。もう少し勉強して商売人らしくお客さんとコミュニケーションをとる努力をしてはと思うのですよ。

写真コンクールは、全体的にはレベルがかなり落ちたと思います。賞に選ばれたのは、やはりすばらしい作品でしたが、そのほかはどうしてこれを...と思う作品がものすごくたくさんありました。餌付けや不自然な写真を排除した結果だと思うのですが、それにしても構図や背景などまったく考慮していない作品も多くて残念でした。みんな良い機材を使っているのに、どんな時代になっても最後は腕次第と強く思いました。

それとせっかく手賀沼のほとりでやっているのだから、野鳥を実際に見るというイベントをもっと増やしても良いのではと思います。期間内に手賀沼の周辺でバードソンをやっても良いと思います。Ustreamなどが使える時代ですから、来場者に鳥を見てもらえるイベントがあると面白いのではないでしょうか。船上バードウォッチングだけではあまりにも寂しいし、だいたい船からではろくに鳥が見えない。

そうそう初日はいなかったなあと思いましたが、二日目には今年もいました。ペットの鳥をつれてきた人が。来るなとは言えないと思いますが、やはりこのお祭りの主旨と何かがずれているようで不快感を覚えました。

いずれにしても関係者の皆さん、お疲れ様でした。来年もさらに充実したフェスティバルになることを期待しております。

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